【ソウル=時吉達也】韓国・尹錫悦(ユンソンニョル)次期政権の発足に向けた準備を進める「引き継ぎ委員会」は、3種類の計算方法が公式に混在する年齢の数え方について、次期政権で統一する意向を明らかにした。国際的に広く使われる「満年齢」を基準とする法改正を来年までに進める方針。
韓国は、かつて漢字文化圏で広く使われた「数え年」を公式に維持する最後の国とされる。生まれた年を1歳として、新年を迎えるごとに年を重ねる。
分野によっては満年齢や、「数え年」から1歳を引いた年齢でニュースなどにも用いられる通称「新聞年齢」も使用。1960年12月生まれの尹次期大統領の場合、13日現在で満年齢は61歳だが数え年は63歳、新聞年齢は62歳となる。
どの数え方を適用するか基準が明記されていない場合もあり、中高年の雇用政策や、新型コロナウイルスのワクチン接種年齢などをめぐり混乱を招いてきた。裁判所でも判断が分かれ、民事訴訟が長期化するケースもあった。
引き継ぎ委は、満年齢の使用が定着すれば「年齢の解釈をめぐる争いがなくなり、法的紛争などが大きく減少する」と強調。年内に法改正案を国会に提出し、2023年までの成立を目指すという。
世論調査では国民の約7割が年齢の統一を支持している。一方、年齢によって言葉遣いを厳格に分ける文化的背景から「同学年でも年齢に違いが出る満年齢は、友人関係に影響する」などと懸念する声もある。