上海トップの李氏視察に住民不満訴え 人事に影響も

12日、封鎖されたマンション敷地内でPCR検査に並ぶ住民たち=中国・上海市(共同)
12日、封鎖されたマンション敷地内でPCR検査に並ぶ住民たち=中国・上海市(共同)

【北京=三塚聖平】新型コロナウイルスの感染拡大を受けて事実上のロックダウン(都市封鎖)が続く上海市で、市トップの李強・共産党委員会書記が矢面に立たされている。視察中に住民から不満をぶつけられる姿を撮影したという動画が交流サイト(SNS)で拡散。李氏は、次期最高指導部入りが取り沙汰されているが、コロナ対策の成否次第で人事構想に狂いが出る可能性もある。

動画では、住宅地の入り口前に立つ李氏とみられる男性が、住民に詰め寄られる様子が写されている。周囲に集まった人々は「食べるものが届いていない」などと不満を口にしている。

党幹部への直接的な抗議は異例で、住民の不満が高まっていることがうかがわれる。上海では2週間以上にわたり封鎖が続いており、事態の長期化を受け、食料不足などの問題が起きているとSNSで伝えられている。

一方、中国メディアは11日、李氏が同日に市内で、生活必需物資の供給状況や封鎖措置の状況を視察したと報じた。住民からの抗議には触れていない。

李氏は、習近平国家主席が浙江省トップの党委員会書記だった時期からの側近の一人だ。習氏の長期体制を目指す今年後半に開かれる党大会で、最高指導部メンバーの政治局常務委員(現7人)に昇格し、首相などの要職に起用される可能性が党関係者の間でささやかれている。

ただ、上海の感染拡大になかなか歯止めがかからないことから、李氏の指導力が問われる事態となっている。中国のメディア関係者は「上海の状況次第で、習氏も李氏をかばいきれないのではないか」という見方を示す。

国家衛生健康委員会の13日の発表によると、上海で12日に新たに確認された感染者は、空港検疫などを除き2万6330人だった。うち約95%の2万5141人が無症状で、感染者の洗い出しが難航しているもようだ。上海の一部地区では行動制限の緩和が11日に打ち出されたが、約6割の居住区などでは家や居住区から出られない状況が続いている。

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