JR西日本は13日、駅ホームから転落した人を赤外線センサーで自動検知し、電車を止めるシステムを開発したと発表した。検知から5秒程度で運転士に異常が伝わるといい、今年度中に複数の駅で整備する。これまでは駅員が目視で現場を確認しており、自動検知で異常を知らせるシステムは国内初という。
JR西によると、ホームの屋根から線路へ赤外線センサーを照射する機器を設置。人の存在を検知すると、赤信号が点灯するとともに、駅事務室の異常通報装置が作動する。
線路には動物が立ち入ったり、ごみが飛んできたりするが、対象物の大きさや動きを解析し、人かどうかを判断する。
事故防止に最も有効なホーム柵は設置に費用も時間もかかり、JR西管内の1174駅のうち今年3月末時点で設置済みは22駅(1・9%)。新たなシステムにかかるコストは最大でホーム柵の30分の1になるといい、JR西は「ホーム柵を補完する対策として整備を進めていきたい」としている。
福島駅(大阪市福島区)では昨年1月から試験的に同システムを導入。7件あった転落事案を全て検知できているという。