ウクライナ侵攻で女性や子供の被害拡大 ユニセフなど報告

国連安全保障理事会の会合で報告するユニセフのフォンテーヌ緊急支援局長=11日、米ニューヨーク(国連提供・AP)
国連安全保障理事会の会合で報告するユニセフのフォンテーヌ緊急支援局長=11日、米ニューヨーク(国連提供・AP)

【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は11日、ロシアによるウクライナ侵攻に関し会合を開いた。会合では、現地入りしたUNウィメンや国連児童基金(ユニセフ)の幹部らが戦禍に巻き込まれた女性や子供の苦境について報告した。国連によると、同日までに殺害された女性は301人、子供は148人。被害拡大を防ぐため即時停戦を求める声が相次ぐ中、ロシアは露軍の責任を否定した。

ユニセフのフォンテーヌ緊急支援局長は報告で、女性や子供を含む57人が殺された東部ドネツク州クラマトルスクの駅への8日の攻撃は「市民の命を軽視し、国際法に違反する非道な攻撃の一例にすぎない」と述べた。また、既にウクライナの子供の3分の2が自宅を追われたとし、「これほど短期間に状況が悪化した例を見たことがない」と指摘。「戦闘が続いているため、支援を最も必要とする人にたどり着けない」と訴えた。

フォンテーヌ氏によるとウクライナでは推定320万人の子供が自宅にとどまるが、その半数程度は食料や水を十分に確保できていない。東部マリウポリや南部へルソンの状況は特に悪化している。南部ザポリージャの病院では、家族と退避中に腹部を撃たれた男児を見舞ったとし、「市民は退避中も攻撃の危険にさらされている」と語った。

UNウィメンのバホウス事務局長は性暴力や強姦被害が増えたことや人身取引の増加への懸念を表明し、若い女性や保護者の付き添いのない10代の少女が「特に危険だ」と指摘した。

報告を受け、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使はロシアを名指しして「おぞましく、理解を超えている」と非難した。

アルバニアのホジャ国連大使は「なぜ国連はロシアを止めるためにもっと多くをできないのか、と尋ねられる」とし、「ロシアが拒否権で国連を人質にとり、ウクライナの安全を妨げているからだ」と訴えた。

一方、ロシアのポリャンスキー国連次席大使は「露軍は市民を狙っていない。被害はウクライナの攻撃によるものだ」などと主張した。ウクライナのキスリツァ国連大使は「ロシア代表が座っているのは旧ソ連の常任理事国の席だ。戦争犯罪を裁く被告人席こそふさわしい」と強調した。

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