輸入アサリを「熊本産」と偽る産地偽装問題を受けて出荷を停止していた熊本県で12日、アサリ漁が再開した。出荷は約2カ月ぶり。県は停止中、産地を証明する独自のトレーサビリティー(生産流通履歴)制度導入などの再発防止策を決めた。まずは県内の店舗で試験的に販売し、6月以降、販売地域の拡大を検討する。
川口漁協(熊本市)はこの日、緑川河口で漁を再開。漁師は肩まで水に漬かり、棒の先端に金属製のかごを付けた専用の道具でアサリを採った。県漁業協同組合連合会の藤森隆美会長は「やっと地場産のアサリが出せてうれしい。本当の熊本県産のアサリを消費者には食べてほしい」と話した。荒尾市や宇土市の漁協も順次開始する。
アサリは県が「モデル販売協力店」と認証したスーパーや百貨店などで販売する。