スピードスケート女子500メートルの2018年平昌冬季五輪金メダリスト、小平奈緒(35)=相沢病院=が12日、10月のレースを最後に現役を引退する意向を表明した。長野市内で記者会見し「今年10月の全日本距離別選手権の500メートルを競技人生のラストレースとする」と語った。大会は例年、長野市エムウェーブで10月下旬に行われる。
決断の理由は「以前から五輪は北京で最後かなと考えていた。自分の人生を次に進めるには、いい頃」と説明。昨夏ごろから周囲と将来像について話し合っていたといい「ある程度、体を自由にコントロールできる状態のまま、地元信州でラストレースがしたい。迷いは全くない」と述べた。
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バンクーバー五輪スピードスケート日本代表選手選考会の女子500m表彰式。左から岡崎朋美、小平奈緒、吉井小百合 =2009年12月28日、長野市のエムウェーブ(鈴木健児撮影)
約半年先の全日本距離別までは、練習と並行しながら地域での講演やイベントに参加し、自身の経験などを伝える予定。
次のステップに進みたい
小平奈緒の話 次のステップに進みたい、人生をより彩り豊かにしたいという思いが高まった。長い人生を考えた時、このくらいが自分にとってはいいのではないかと自分自身でゴールラインを決めた。たくさんの人との出会いの中で育てられたスケート人生だった。
【略歴】小平 奈緒(こだいら・なお)日本記録を持つ500メートルは2016~19年に国内外で37連勝。18年平昌冬季五輪を制し同年4月に紫綬褒章を受章。1000メートルの前世界記録保持者。世界スプリント選手権は17、19年に総合制覇。世界距離別選手権の500メートルは17、20年優勝。ワールドカップ(W杯)の五輪個人種目で日本歴代最多に並ぶ通算34勝を500メートルと1000メートルで挙げた。長野・伊那西高、信州大出。相沢病院。165センチ。35歳。長野県出身。