首相、参院選向け対策 経済人と面会増

新しい資本主義実現会議で発言する岸田文雄首相=12日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
新しい資本主義実現会議で発言する岸田文雄首相=12日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相が経済界やエコノミストとの意見交換を重ねている。政府は、ロシアのウクライナ侵攻による燃油などの物価高を受けた緊急経済対策や、看板政策「新しい資本主義」の実行計画の策定をしている。首相としては、夏の参院選を控え、経済界の意見も踏まえつつ、効果的な対策を講じる狙いがありそうだ。

首相は6日、官邸で第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストと面会した。

「給付や補助は効果が薄い。消費税の軽減税率を期間限定で下げることやエネルギーの減税が必要だ」

永浜氏が物価高対策について提案すると、首相は耳を傾けていたという。首相は同日、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストにも話を聞いた。

政府は3月22日、新型コロナウイルス対応で東京など18都道府県に適用していた蔓延(まんえん)防止等重点措置を全面解除し、4月10日には入国者数の上限を1万人に引き上げた。首相は感染が一定程度ある中でも経済社会活動を進める「ウィズコロナ」への意識を強めており、面会や会食の相手も経済関係者が増えている。

首相は3月29日、経団連の十倉雅和会長と日本商工会議所の三村明夫会頭らと会食した。経済財政諮問会議の民間議員も務める十倉氏とは同30、31日にも、経団連幹部や他の民間議員を交えて会食している。

首相周辺は「経済界とは良好な関係を築けている」と語る。成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」のカギとなる賃上げをめぐっては、首相が今春闘で「3%を超える賃上げ」を要請。これを受け、経団連なども賃上げを促し、自動車などで労働組合の要求への満額回答が相次いだ。

一方で、コロナ禍からの回復を目指す日本経済にとって燃料高などが重荷になっている。短期的な対応に加え、長期的な成長戦略も欠かせないが、「新しい資本主義はイメージ先行で何がしたいかわからない」(野党幹部)との批判は根強い。首相が経済界の声を生かし、具体的な対策を示すことができるかは、参院選の結果にも直結する。(宮川真一郎)

会員限定記事会員サービス詳細