「デジタルヘルス」新たな軸に シャープ新CEO呉柏勲氏

シャープの今後の戦略について語る新CEOの呉柏勲氏=堺市
シャープの今後の戦略について語る新CEOの呉柏勲氏=堺市

4月からシャープの最高経営責任者(CEO)に就任した呉柏勲(ご・はくくん)氏が12日、堺市の本社で報道陣の取材に応じ、「創業の精神は不変のものとして継承し、前任の戴正呉(たい・せいご)会長が掲げた信賞必罰の人事などの方針を踏襲しながら真のグローバル企業を目指す」と抱負を語った。また、「デジタルヘルス」を新たな経営の主軸に定め、健康をテーマにした商品やサービスを強化する方針を示した。

シャープはテレビ事業の失敗などから経営危機に陥り、2016年8月に台湾の鴻海(ほんはい)精密工業の傘下に入った。当時、鴻海のナンバー2だった戴氏はシャープの経営を立て直すため社長に就任し、17年度に702億円の最終黒字を達成。今年3月まで5年7カ月にわたり経営の指揮を執った。

新CEOの呉氏は01年に鴻海に入社し、12年からテレビ用の大型液晶パネルを生産する堺ディスプレイプロダクト(SDP)の経営企画担当参事、17年からシャープの子会社社長や常務執行役員などを歴任した。呉氏は昨年末に戴氏からCEO就任を打診されたといい、「ものすごい重責というのが最初の感想。グローバル経験にたけていることが後継者として評価された理由だと思う」と話した。

今後の戦略について呉氏はデジタルヘルスを新たな軸にする方針を示し、「白物家電を中心とした健康的な水、空気、食に関する商品を発売していく」と説明。座るだけで中性脂肪値が分かる便座のような家庭内で健康チェックができる商品を展開するとした。

一方、就任前に決まったSDPの完全子会社化については「パネル業界は不景気といわれるが、今後メタバース(3次元仮想空間)や仮想現実(VR)による需要は拡大していく。買収は正しい判断だと思う」と支持した。(桑島浩任)

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