ポトマック通信

米露の金融、プロが暗闘

バイデン米政権は、ウクライナに侵攻するロシアとの武力衝突に巻き込まれる可能性を回避する姿勢を貫き、強力な金融・経済制裁を主戦場としている。攻める米国と守るロシア。「戦争」の担い手は、金融のプロたちだ。

米政府はロシアの銀行によるドル決済を封じ、ロシア中央銀行の資産を凍結。米露対決の序盤は米国が圧倒し、ロシア通貨ルーブルは急落した。だが、ロシア当局は金融市場を安定させることに成功し、ルーブルは大きく盛り返している。当局が大幅な緊急利上げや資本規制など、大胆な対応策をとったためだ。

制裁に詳しい米シンクタンク研究者は、対応を指揮したロシア中銀のエリビラ・ナビウリナ総裁が「良い仕事をしたと認めざるを得ない」と語る。ナビウリナ氏は元経済官僚で、世界の金融当局者から高い評価を得ていた。

一方、米政権で対露制裁を担当するダリープ・シン大統領副補佐官(国家安全保障担当)も以前、ニューヨーク連銀幹部を務めた中銀関係者だ。ロシア中銀の手の内は知り尽くしているといえる。米誌によると、昨年11月に制裁の検討に入り、入念に準備してきた。

米国の攻勢に、ロシアは粘り腰をみせている。その攻防の背景で、双方の金融エキスパートが暗闘を繰り広げている。(塩原永久)

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