上皇ご夫妻、仮御所にお別れ 園児らと交流も

仮住まい先だった仙洞仮御所を出発される上皇ご夫妻=12日午前、東京都港区(代表撮影)
仮住まい先だった仙洞仮御所を出発される上皇ご夫妻=12日午前、東京都港区(代表撮影)

代替わりに伴う引っ越しで、上皇ご夫妻は12日、約2年を過ごした仙洞(せんとう)仮御所(東京都港区高輪)を後にし、葉山御用邸(神奈川県葉山町)に入られた。荷物の搬送作業の間は御用邸に滞在し、26日に新たなお住まいとなる旧赤坂御所(港区元赤坂)に移られる。この2年、ご夫妻は新型コロナウイルス禍で外出を控える中、高輪の近隣住民との何気ない交流を楽しみにされていたといい、側近は「今後も仮御所での日々を、思い出深く懐かしまれるだろう」と話している。

「皆さんが健やかに、幸せに過ごすことを願っています」。12日午前、上皇さまは仮御所にあいさつに訪れた地域の代表らと面会した際、見送りに感謝するとともに、住民らを気遣う言葉をかけられたという。

ご出発の際には、ご夫妻と交流のあった近所の愛星保育園の園児らも駆け付け、「ありがとう」「さようなら」と手を振って別れを惜しんだ。ご夫妻は、目を細めて応じられていた。

宮内庁によると、ご夫妻と園児らとの交流は、散歩中にドングリを探していた園児らが、仮御所敷地内のドングリを許可を得て持ち帰ったのをきっかけに始まった。お礼に、と園児らの絵にドングリを貼り付けた作品が届けられ、ご夫妻は喜んで部屋に飾られていたという。その後も、ご夫妻のお誕生日やクリスマスに園児らからカードが届けられ、交流を重ねていた。

仙洞仮御所を出発される上皇ご夫妻=12日午前10時30分、東京都港区(代表撮影)
仙洞仮御所を出発される上皇ご夫妻=12日午前10時30分、東京都港区(代表撮影)

村岡恵美子園長は「子供たちは今日、初めてご夫妻にお会いできるのを楽しみにしていた。一人一人の顔を見てくださり、ありがたかった」と喜んだ。

今月初旬に行われた地域の祭りでは、ご夫妻にも楽しんでもらおうと、パレードをしていた地元の高校の吹奏楽部の生徒らが敷地の脇で立ち止まり、仮御所に向けて演奏を披露した。地元の町会「松ケ丘会」の安藤洋一会長は「コロナで行事に来ていただくことはできなかったが、思い出の一つにしていただけたならうれしい」と話している。

ご夫妻は代替わりに伴い、天皇ご一家に皇居内の御所を譲るため、令和2年3月に仮住まい先の仙洞仮御所に入られた。旧赤坂御所はバリアフリー化されており、ご夫妻のご入居に伴い、「仙洞御所」に名称が変更される。

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