祇園暴走10年 厳罰化もてんかん関係の事故減らず

京都・祇園でてんかん発作を起こした運転手の車が暴走し、通行人7人が死亡した事故は12日で、発生から10年となった。てんかん患者の免許取得をめぐっては、この事故などを機に平成26年に法改正による規制強化があったものの、その後も事故はなくなっていない。識者は「事故をゼロに近づけるにはより有効的な策が必要だ」との見方を示す。

日本てんかん協会(東京)によると、てんかんは適切な治療を受ければ大部分は運転に支障ないが、法改正前から免許取得や更新には2年間発作がないなどの条件がある。

24年の祇園の事故では、運転していた男は病状を申告せずに免許を更新。23年に栃木県鹿沼市で小学生6人が死亡したクレーン車の事故でも、発作を起こした運転手が同様に申告していなかった。

事故を機に厳罰化の声が強まり、患者に対し、任意だった運転免許の取得・更新時の病状申告を義務付ける改正道交法が26年に施行。虚偽申告した場合の罰則規定も設けられた。

しかし、その後もてんかんが関係する事故は続く。交通事故総合分析センター(東京)によると、21~25年、事故は年間50~70件台で推移。運転手だけでなく、事故の相手方の発作が絡むものも含むが、改正後の26年~令和2年もほぼ同様の傾向だ。

協会によると、改正後は免許に関連した患者や医師からの相談が増加しているが、田所裕二事務局長は「法改正後も申告には、本人次第の面もある」とも指摘。病状に伴う免許の停止などで適切に申告しない可能性も排除できず、「交通機関のほか、周囲や地域の支援も充実させる必要がある」と課題を説明する。

一方で、現行法では、主治医などからの診断書の提出は任意。交通事故を専門とする加茂隆康弁護士(第一東京弁護士会)は「詳しい病状や日頃の運転頻度なども踏まえて判断できるよう、本人の申告だけでなく、医師による診断書の提出も義務化すべきだ」と述べている。(森西勇太)

京都・祇園の暴走事故 発生から10年で法要

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