京都市東山区の祇園で平成24年、軽ワゴン車が暴走して通行人7人が死亡、12人が負傷した事故は、12日で発生から10年を迎えた。現場近くの檀王(だんのう)法林寺(同市左京区)では法要が営まれ、参列した地域住民らが犠牲者をしのび、交通安全を祈願した。
法要には、境内にある保育園の園児や関係者ら約40人が参列。信ケ原(しがはら)雅文住職が読経する中、犠牲者を供養する地蔵の前で静かに手を合わせた。
信ケ原住職は10年を迎え、事故を風化させてはならないとした上で、「一人の命がなくなるだけで、どれだけの人が悲しむか。ただ悲しんでばかりではだめで、今後は一人でも事故に遭わないようにしなければならない」と話した。
また、現場周辺では警察官ら約10人がティッシュを配るなどして歩行者や通行する車に対し、事故への注意を呼びかけた。
事故は24年4月12日午後1時ごろに発生。てんかん発作を起こしたとみられる藍染め販売会社の元従業員の男=当時(30)=運転の軽ワゴン車が暴走して通行人ら計19人をはね、男も死亡した。
男は自動車運転過失致死傷の疑いで書類送検されたが、京都地検は25年、容疑者死亡で不起訴とした。