2016年にフランス東部ブザンソンに留学していた筑波大生の黒崎愛海さん=当時(21)=が行方不明になった事件で、殺人罪に問われた元交際相手のチリ人、ニコラス・セペダ被告(31)の論告求刑公判が11日、ブザンソンの裁判所で開かれた。検察側は「計画的犯行だ」として終身刑を求刑した。フランスでは死刑がなく、終身刑が最高刑となる。
セペダ被告は3月29日に始まった公判で「黒崎さんを殺していない」と一貫して無罪を主張。審理している陪審制の重罪院は、今月12日に判決を言い渡す予定。
弁護側は最終弁論で、セペダ被告が殺人を計画していたと認められるものは何もないと主張した。
黒崎さんは16年12月、チリからフランスを訪れたセペダ被告と夕食を取り、学生寮の自室に一緒に戻った後、行方不明となった。検察は、恋愛感情のもつれから黒崎さんを殺害したとしてセペダ被告を起訴した。遺体は見つかっていない。(共同)