【パリ=三井美奈】フランス大統領選第1回投票で、極右「国民連合」のルペン候補が2017年の大統領選に続き、決選投票進出を決めた。マクロン氏は前回選でルペン氏に倍近い差をつけて勝利したが、世論調査によると、差は大幅に縮まるとみられる。マクロン氏は10日、「油断してはいけない。まだ何も決まっていない」と陣営を引き締めた。
開票の結果、過激な主張を掲げる左右両派の「異端」候補が2~4位を占め、体制不信の根深さを示した。17年の選挙でマクロン氏の票田となったパリ郊外では今回、急進左派のメランション氏が「反マクロン」票を吸収し、多くの自治体で得票率首位に立った。
2位のルペン氏、3位のメランション氏はともに、前回の得票率を上回り、極右評論家のゼムール氏は初出馬ながら4位に食い込んだ。いずれも、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に懐疑的な姿勢をとる。3人の合計得票率は50%を超え、マクロン氏が決選投票で勝利しても、仏外交の不安材料として残る。