露、東部へ大規模攻勢の観測 司令官を任命 無差別攻撃激化か

サリバン米大統領補佐官(AP=共同)
サリバン米大統領補佐官(AP=共同)

ウクライナに侵攻したロシアは10日、東部や南部への攻撃を継続した。ウクライナでは、露軍が東部への大規模攻勢をかける可能性が高いとの観測が流れている。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も同日、ロシアが侵攻の司令官に軍事経験が豊富なドボルニコフ将軍を任命したとし、無差別攻撃を激化させる恐れがあるとの懸念を示した。

露国防省は10日、東部ハリコフ州の飛行場やドニエプロペトロフスク州の軍事拠点をミサイル攻撃で破壊したと発表。ハリコフ州当局は同日、露軍の攻撃で過去1日に民間人5人が死亡したとした。

ウクライナ軍参謀本部は同日、露軍が東部軍管区や中央軍管区の部隊をウクライナ国境地帯に移動させていると指摘。露軍がハリコフやイジュムなど東部への攻勢を強めると分析した。

一方、侵攻の司令官に着任したとされるドボルニコフ氏は南部軍管区のトップ。2015年のシリア内戦への軍事介入で司令官を務め、民間人の犠牲を考慮しない作戦を展開したとされる。ウクライナ侵攻で露軍はこれまで司令官が不在だったとされ、各方面の連携不足が指摘されてきた。

北部から撤退したロシアは、東部や南部で占領地域を拡大する思惑とみられ、ドボルニコフ氏の指揮によって無差別攻撃が激化する可能性がある。

ウクライナのベネディクトワ検事総長は10日、英テレビに、奪還した北部キーウ(キエフ)州だけで1222人の市民の死亡が確認されたと明らかにした。

2021年5月、ロシア南部ロストフナドヌーで対ドイツ戦勝記念日のパレードに出席するドボルニコフ南部軍管区司令官(タス=共同)
2021年5月、ロシア南部ロストフナドヌーで対ドイツ戦勝記念日のパレードに出席するドボルニコフ南部軍管区司令官(タス=共同)

また、ウクライナ当局は露軍が一時制圧した北部チェルノブイリ原発の研究所から133個の放射性物質を略奪したと発表。ロシアはウクライナが核兵器開発を進めていたと主張しており、その「証拠」とする可能性がある。

11日にはモスクワでプーチン露大統領とオーストリアのネハンマー首相が会談する。ネハンマー氏は9日、キーウを訪問。露軍の残虐行為を非難し、ウクライナへの連帯を表明していた。

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