書評

『奈良で学ぶ 寺院建築入門』海野聡著

タイトルを見て、「なぜ京都ではなく、奈良なのか」と疑問に思う人がいるかもしれない。その答えは序章で明かされる。長岡京・平安京への遷都以降、奈良は政治の中心地になることはなく、「宗教都市」になったため。だから、奈良時代以来の建築が多く残っているのだという。

その奈良で、著者がリストアップしたのは、「古建築やその痕跡を見る要素が凝縮」されているという唐招提寺、薬師寺、興福寺、東大寺の4寺。考古学や美術史ではなく、建築史から見ることで寺院の新たな魅力が浮かび上がる。読めば、きっと奈良を訪れたくなる一冊だ。(集英社新書・1100円)

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