オーストラリアのモリソン首相は10日、連邦議会の下院(定数151)を解散し、5月21日に総選挙を行うと発表した。生活費高騰や災害対応への不満を背景に、与党自由党が主導する保守連合は支持率で苦戦。最大野党労働党の先行を許している。モリソン氏は中国やロシアの脅威を訴えて安全保障問題を争点化し、追い上げたい考えだ。
労働党の首相候補、アルバニージー党首は格差是正や福祉充実の公約を強調する。同党が勝利すれば約9年ぶりの政権交代となる。
モリソン氏は首都キャンベラで記者会見し、新型コロナウイルス流行で落ち込んだ経済や雇用の急回復を強調。「この選挙は、『強い経済』と『労働党』のどちらかの選択だ」と強調した。モリソン政権は1月、日本と豪州部隊の共同訓練などに関する「円滑化協定(RAA)」に署名した。(共同)