アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」のゴールキーパーとして北京冬季五輪に出場した藤本那菜(33)=デンソー北海道=が産経新聞のオンライン取材に応じた。五輪初の決勝トーナメント進出という結果を「次につながる」と評価し、さらなる強化へ「日本の強みである組織力を生かした守備の確立が重要」と指摘した。今後については「まずはいろいろな角度から競技に携わりたい」と、当面はけがのリハビリを優先しながら普及活動などを行い、1年間は代表活動に参加しない意向を示した。(運動部 橋本謙太郎)
--北京五輪では初の1次リーグ突破を1位通過で決めた
「1次リーグは本当にどこが勝ってもおかしくないと感じていて、これまでの経験から初戦をとればいい流れで次に進めるっていうのがあった。最初のスウェーデン戦で勝ち点3を取れたのが大きかった。良い時間帯での(テレビ)放映もあり、注目して見てもらえる機会があったと思う。(1次リーグ突破は)日本アイスホッケー界にとって初めてだったので次につながると思う」
--自身のプレーについての評価は
「納得のいった試合が今回はなかった。最低限の要所を押さえたプレーが限界だった。直前まで両膝両手首のけがの状態が良くなくて、練習に参加できないことも多かった。五輪のような重要な大会がなければ長期休暇をもらっていたような状態の中、周りのサポートのおかげで気力で氷上に立っていた状況だった」
--それでも1次リーグの失点はB組で最少タイの7だった
「世界と戦う上でどういう守り方をすればよいのか、ポジションワークとか通用する部分は実感としてあった。私の個人スキルが大きく伸びたかといわれると不明瞭な部分があるが、経験値をプラスアルファで出せたとは思う」
--初の決勝トーナメントとなった準々決勝のフィンランド戦では首を痛めた
「国際戦ではゴール前のバトルが激しくなるが、ここまで、キーパーチャージに近いぐらい狙われたことはあまりなかった」
--フィンランドには1-7で敗れ、最終結果は6位だった
「チームとして得点力にフォーカスして取り組んできて、フィニッシュのところでゴールを決めるチームにはなってきた。ただ、守備の部分はここ2年間はあまり取り組んでなかったので、これまでの日本の強みが消えてしまった。持ち味を生かしたうえで、得点力をプラスして戦っていたら、(メダル獲得という)目標に手が届く位置までいくことができたのではないかというのは個人の感想としてある」
--日本代表のこの4年間の進化は
「ものすごくフィジカル面の強化は進み、体作りの面で伸びた部分はあるし、得点もゼロで終わる試合っていうのが少なくなった。何かしら得点を決めれる試合が多くなった」