児童書

『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日』松岡享子 原案・文、降矢なな 文・絵 温かさにあふれた物語

仲良く暮らす、えんどうまめばあさんとそらまめじいさん。一日中まめまめしく働いているが、やりたいことが見つかると、すぐに始めないと気がすまない。

食事中に畑のえんどうまめのつるがのびていることを思い出すと、「ぼうをたてて つるをまきつけてやらなくちゃ」と畑へ。だが、草ぼうぼうの畑を見ると棒を立てるのを忘れて草取りを始める。抜いた草をうさぎに食べさせようとうさぎ小屋に行くが、小屋の金網が壊れているのを見ると草のことは忘れ、「おじいさんに しゅうりしてもらわなくっちゃ」…。次々と新たなことを始める2人だが、時間に追われたりはしない。その様子がおだやかにユーモラスに描かれる。

原案は童話「くまのパディントン」シリーズの翻訳などで知られる児童文学者で文化功労者の松岡享子さん。今年1月に86歳で亡くなる前に病床で語ったアイデアをもとに、絵本作家の降矢ななさんが仕上げた。

温かさにあふれた物語、絵からは「暮らす」ことの意味、味わいが伝わってくる。(福音館書店・1320円)

三保谷浩輝

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