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新書『テルマエと浮世風呂 古代ローマと大江戸日本の比較史』

「古代ローマも大江戸日本も、前近代世界においてはもっとも円熟の極みにまでいたった社会である」。そう説く著者は、日本における古代ローマ史の第一人者。とっつきにくいローマ史を、似た部分が少なくない江戸期と比較しながら紹介する愉快なエッセーだ。

ともに平和が長く続いて都市が繁栄を極めた時代だけに、民衆の識字率の向上や公衆浴場の発展、繁華街や飲食文化の隆盛など、共通点は数多い。ただ、顕著に違うのが権力者像。民とともにあるローマ型と、姿を見せない日本型。現代への影響も考えさせられる。(本村凌二著、NHK出版新書・913円)

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