井上ひさしさんの戯曲発見 20代で執筆の未発表原稿162枚

井上ひさしさんの未発表戯曲「うま―馬に乗ってこの世の外へ―」の原稿。多くの書き込みがある
井上ひさしさんの未発表戯曲「うま―馬に乗ってこの世の外へ―」の原稿。多くの書き込みがある

劇作家・作家の故井上ひさしさんが20代半ばに書いたとみられる未発表戯曲の原稿が見つかった。題名は「うま―馬に乗ってこの世の外へ―」で、戦国時代をしたたかに生きる小作人を描いたピカレスク(悪漢)物。井上さんが賞を受けた初期戯曲と同時期の作品とみられ、原点に通じる貴重な資料だ。

原稿はA4判原稿用紙で162枚。表紙には題名と本名の「井上廈(ひさし)」の署名があった。丁寧な筆跡で、所々に文章を推敲した書き込みがあった。

舞台は戦国時代の1560年代、井上さんの故郷の山形県川西町に当たる「羽前の国小松郷」。主人公の小作人が言葉巧みに、金持ちの馬地主らから金をくすねていく。昭和33年に芸術祭賞脚本奨励賞を受賞した「うかうか三十、ちょろちょろ四十」と登場人物名が一部共通しており、同時期に書いたとみられる。

会員限定記事会員サービス詳細