
"Politics stops at the water's edge"
Arthur Vandenberg
政争は水際で終了する
アーサー・バンデンバーグ
photo ©U.S. Senate Historical Office
米国は第二次世界大戦以降、超大国として自由世界を率いるという唯一無二の役割を果たしてきた。だが、中国やロシアなどの権威主義体制による国際秩序の現状変更や、米国内の分極化と「外交的孤立主義」の台頭で、伝統的な「国際主義」「関与主義」の米外交・安全保障政策は重大な岐路に立たされつつある。そうした中、71年前に死去した一人の政治家の足跡を問い直す動きが米政界で静かに広がっている。
「(党派的な)政争は水際で終了する」
1947~49年に上院外交委員長として議会の外交政策を取り仕切った共和党上院議員、アーサー・バンデンバーグ氏の言葉だ。政治的に対立する勢力同士でも、水際の外、つまり国外の問題では協力し合うべきだという意味である。