巨人は9日、ヤクルトを下した。
31歳の一振りが延長戦に終止符をうった。2-2で迎えた十回1死、途中出場した巨人の立岡はヤクルト梅野の高めの直球をコンパクトに振り抜いた。右翼席へ打球が吸い込まれるのを確認すると右手を上げ歓声に応えた。本塁で仲間から水を浴びる手荒い祝福を受け、「いつかこういう日が来ると思っていた。最高です」。プロ14年目で初のサヨナラ本塁打に破顔した。
「自分の形どうこうじゃなく、投手との勝負」という二岡2軍監督の言葉を心に留めて打席に入った。邪念を捨て「夢中だった」と初球からがむしゃらにバットを振ってのアーチに原監督も「なかなか打席を多く渡せない状況でよくぞ打ってくれた」と目を細めた。
期するものがあった。巨人では代走や守備固めがメイン。毎年自主トレを一緒に行う4歳下の松原が1軍に定着する一方で今春のキャンプも2軍だった。「年下にいい選手がいっぱいいる。どうやって自分をアピールできるかだけを考えた」。回ってきた見せ場で最高の結果を出した。
チームは10勝一番乗りで首位をキープ。「自分自身もここからのっていけるようにしたい」と力強く話した。(五十嵐一)