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『活かして勝つ 金メダルをつかむチーム作り』 長所を生かす強い組織

『活かして勝つ 金メダルをつかむチーム作り』
『活かして勝つ 金メダルをつかむチーム作り』

『活かして勝つ 金メダルをつかむチーム作り』稲葉篤紀著 (中央公論新社・1760円)

昨年開催された東京オリンピックで、野球日本代表「侍ジャパン」は37年ぶりとなる金メダルを獲得しました。新型コロナウイルス感染拡大により1年開催が延期されたなか、選手のコンディション調整やメンバー招集の難しさという逆境を乗り越え、最高のチームをいかにして作り上げたのか。読売新聞紙上での長期連載をもとに、その軌跡をたどりました。

著者の稲葉さんは、平成29年に野球日本代表監督に就任して以来、「いいメンバーを集めるよりも、いいチームを作りたい」と考えてきました。日本代表のチーム作りをする上で、そのことを一貫して目指してきたと語ります。

プロ野球チームの監督経験がないまま代表監督に就任したことや、コーチ陣の組閣、選手選考についてはさまざまな声が寄せられましたが、稲葉さんの信念は揺るぎませんでした。選手、コーチ、スタッフ陣の個性や長所を生かして、深い信頼で結ばれた「いいチーム」を築き上げました。

オリンピックの表彰式後、菊池涼介選手が自分の金メダルを監督にかけてあげる場面がありました。その場面が、稲葉ジャパンのチーム力を最も象徴していたのではないでしょうか。

熱い秘話が満載。金メダルをつかんだその舞台裏や秘蔵のエピソードを監督自らが明かします。メンバーの能力をいかに引き出すか。スポーツに限らず、すべての「チーム」に関わる人に読んでいただきたい一冊です。

(中央公論新社プロジェクト編集部 渡辺千裕)

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