新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)収束を待つことなく、ロシアがウクライナを侵攻した。自由主義国家と権威主義国家の摩擦はますます深刻化し、それに伴い現代社会に不可欠な「エネルギー」をめぐる秩序は大きく揺らいでいる。ごく短期間に大きく変容した世界で、「脱炭素」路線はこのままでいいのか。日本エネルギー経済研究所の小山堅専務理事に聞いた。
◇
ロシアによるウクライナ侵攻によって、サハリンでの石油・天然ガス開発事業の扱いなど、政府はロシアからのエネルギー供給をめぐり難しい課題に苦慮している。東アジアでも同様の事態(力による一方的な現状変更)が起こるかもしれないと考えると、やはり日本は欧米民主主義国家と歩調を合わせて、毅然(きぜん)とした態度を取ることが基本といえるだろう。