首相記者会見詳報

(1)追加制裁「非道な行為の責任問う」

会見に臨む岸田文雄首相=8日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
会見に臨む岸田文雄首相=8日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は8日、官邸で記者会見し、ウクライナに侵攻したロシアへの追加制裁などを発表した。発言の詳報は以下の通り。

「本日はロシアによるウクライナ侵略に対するわが国のさらなる制裁を中心にお話をさせていただきます」

「ロシアによる残虐で非人道的な行為がキーウ(キエフ)近郊のブチャのみならず、ウクライナ各地で次々と明らかになっています。ロシアはこれまでも民間人の人の殺害や原子力発電所に対する攻撃など重大な国際人道法違反を繰り返してきました。断じて許されない戦争犯罪です。こうしたロシアによる非道な行為の責任を厳しく問うていかなければなりません」

「こうした観点からわが国として国際刑事裁判所 (ICC)による捜査や国連による独立した調査を支持いたします。わが国のICCへの分担金の支払いを前倒しして行うなど、ICC検察官による戦争犯罪の捜査を後押ししてまいります」

「昨晩、ロシア軍による残虐行為を最も強い言葉で非難し、ウクライナへの連帯を示すとともに、G7(先進7カ国)としての追加的な対露制裁措置をとることを表明するG7首脳声明が発表されました。このG7首脳声明を踏まえ、わが国はロシアに対し次の5つの柱からなる追加制裁を科し、ロシアに対する外交的、経済的圧力を強化いたします。これ以上のエスカレーションを止め、一刻も早い停戦を実現し、侵略をやめさせるため、国際社会と結束して強固な制裁を講じてまいります」

「第1にロシアからの石炭の輸入を禁止いたします。早急に代替策を確保し、段階的に輸入を削減することでエネルギー分野でのロシアへの依存を低減させます。夏や真冬の電力、電力需給逼迫(ひっぱく)を回避するため、再エネ、原子力などエネルギー安保、および脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ってまいります」

「第2にロシアからの輸入禁止措置の導入です。機械類、一部木材、ウォッカなどのロシアからの輸入について来週禁止する措置を導入いたします」

「第3にロシアへの新規投資を禁止する措置を導入いたします。G7とも連携し、速やかに装置を導入いたします」

「第4に金融制裁のさらなる強化です。ロシアの最大手銀行のスベルバンク及びアルファバンクへの資産凍結を行います」

「第5に資産凍結の対象のさらなる拡大です。400人近くのロシア軍関係者や議員、さらには国有企業を含む約20の軍事関連団体を新たに制裁対象に加えます。これにより資産凍結の制裁の対象となる個人は合計約550人、団体は合計約40団体へと広がります」

「次にウクライナの方々に寄り添った支援および在留邦人支援について2点、申し上げます。第1にウクライナ周辺国への人的貢献です。既にモルドバにJICA(国際協力機構)のニーズ調査団を派遣し、保健医療分野のニーズ調査に加え、WHO(世界保健機関)と連携した形で現地の医療データ管理等に貢献をしています。また今週からはPKO(国連平和維持活動)の政府調査団も派遣いたしました。現地のニーズも踏まえ、さらなる人的貢献を速やかに具体化してまいります」

「第2にウクライナ避難民受け入れ、および在留邦人支援についてです。昨日も申し上げましたが、ウクライナ避難民の方々が今後とも、円滑にわが国に渡航できるようにするため、当面毎週政府がポーランドとの直行便の座席を借り上げ、わが国への渡航を支援いたします。その第1便は早速、本日、日本に向けて出発をいたします。ウクライナ在留邦人についても自力で渡航手段を確保することが困難な方についてはこの便を利用できるようにいたします」

「ロシアのウクライナ侵略によって、エネルギーや食料の価格が高騰をしています。わが国のみならず、世界各国の人々がガソリン価格、電気代、食材、価格などの高騰に苦しんでいます。エネルギー市場を安定化させるため、昨日発表しましたが、IEA(国際エネルギー機関)加盟各国とも強調し、日本としてIEAの割り当て量の1・5倍の1500万バレルの備蓄を放出することといたしました。日本として初めての国家備蓄の放出です。引き続き日本としてできることにしっかりと取り組んで参ります」

「また政府としては、この原油価格や物価の高騰による国民生活への影響に対し緊急かつ機動的に対応するため、4月中に原油価格、物価高騰等総合緊急対策をとりまとめます。国民の皆さまの生活を守るために、国際そして国内双方で最大限の対策を迅速に講じてまいります。非道な侵略を終わらせ、平和秩序を守るための正念場です。国民の皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いいたします」

「先日、(ウクライナの)ゼレンスキー大統領は日本の国会演説において『ロシアに対してアジアで最初に圧力をかけたのは日本。制裁を続けてほしい。ロシアが平和を追求するようになるために努力をしよう』。こうした切実な思いをわれわれに対して訴えました。こうした行為に日本はしっかりと応えていきます。G7をはじめとした関係国と連携して、日本が、国際社会がロシアによる暴挙を決して許さないこと。そして日本がウクライナとともにあることを断固たる行動とウクライナの方々に寄り添った支援で示してまいります。ありがとうございました」

=(2)に続く

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