甲府夫婦殺害で「特定少年」実名公表 19歳男起訴

火災で全焼した住宅=2021年10月、甲府市
火災で全焼した住宅=2021年10月、甲府市

甲府市で昨年10月、50代の夫婦が殺害され自宅が全焼した事件で、甲府地検は8日、殺人などの罪で、同市内の無職、遠藤裕喜被告(19)を起訴した。検察当局は今年4月から施行された改正少年法の「特定少年」として、初めて氏名を公表した。

特定少年は17歳以下とは異なり、特例規定が適用される18、19歳。20歳未満の事件は原則、すべてを家庭裁判所に送致するが、改正少年法では、家裁が「刑事処分が相当」と判断し検察官に送致(逆送)した特定少年について、起訴されれば実名や住居地、顔写真などの報道(推知報道)が可能となると定められた。

4月1日に改正少年法が施行され、犯罪を起こして正式に起訴された18歳、19歳の「特定少年」については、実名報道が可能となりました。

少年法61条は、容疑者の少年が特定されれば更生を妨げる恐れがあるとして実名や住所、顔写真などを含む報道を禁じています。改正法では68条が新設され、特定少年は61条の対象から外れました。

最高検察庁は、実名公表の検討対象について「犯罪が重大で地域社会に与える影響も深刻な事案」とする基準を示し、典型例に殺人などの裁判員裁判の対象事件を挙げています。

産経新聞は、重大事件で起訴された特定少年について実名報道を原則としつつ、ケースごとに犯行態様や社会的影響などを検討し、報道内容を決めていきます。

今回の事件では、容疑者が犯行を認めていることや、3人が死傷し住宅が全焼するという悪質性、結果の重大性を考慮。少年法の精神である更生の可能性をかんがみても、実名報道が公共の利益にかない、国民の「知る権利」に応えるものと判断しました。

会員限定記事会員サービス詳細