米、ウクライナ支援を強化 武器貸与法復活へ

バイデン米大統領(ゲッティ=共同)
バイデン米大統領(ゲッティ=共同)

【ワシントン=渡辺浩生】米国防総省は7日、ロシアに抗戦するウクライナ向けの軍事支援について詳細を発表し、バイデン政権発足からの総額は24億ドル(約3000億円)、ロシアによる侵攻開始後は17億ドルに達したことを明らかにした。主な供与兵器として対空ミサイル「スティンガー」1400基超、対戦車ミサイル「ジャベリン」5千基超、自爆型の戦術無人機「スイッチブレード」数百機のほか、レーザー誘導ロケットや多目的装甲車を挙げた。

米上院は6日、第2次大戦中に連合国向け兵器供与を加速させた「レンドリース法」(武器貸与法)の復活を全会一致で可決した。下院でも可決されれば、ウクライナ向け軍事支援の関連手続きが一気に簡略化されることになる。

米国は戦争長期化を予測する一方、「ウクライナは勝利できる」(国防総省のカービー報道官)との見方を強めている。北大西洋条約機構(NATO)と連携し、兵器供与の質量両面での拡大を図る方針だ。

国防総省によると、ウクライナ側の要請に応じるため24時間態勢で作業を続けている。米国の在庫から調達できない場合は30カ国以上の同盟諸国と調整し、需要に見合う兵器を提供するよう働きかけている。

ウクライナのゼレンスキー大統領が要望する長距離防空システムの確保に向けた調整も続けており、米紙ニューヨーク・タイムズによれば、東欧スロバキアが保有する旧ソ連製の地対空ミサイルシステムを近く提供する方向だ。

ウクライナは首都キーウ(キエフ)近郊から露軍を完全撤退させるなど善戦している一方、露軍が集中する東部地域では激戦の長期化が避けられない見通しだ。露軍は爆撃機や黒海洋上の艦船からのミサイル攻撃で主要都市の「焦土化」(米紙)を狙っているとされ、防空システム構築や対艦ミサイル配備による沿岸防衛も急務となっている。

会員限定記事会員サービス詳細