NATO加盟国 ウクライナへの軍事支援を急加速

NATO外相会合後、ウクライナのクレバ外相(右)と話す米国のブリンケン国務長官=7日、ブリュッセル(ロイター)
NATO外相会合後、ウクライナのクレバ外相(右)と話す米国のブリンケン国務長官=7日、ブリュッセル(ロイター)

北大西洋条約機構(NATO)外相会合は7日、ウクライナへの支援強化で合意して閉幕した。ロシアのウクライナ東部への再攻勢に備え、軍事支援のレベルを一段上げ、攻撃力が高い兵器の供与を急ピッチで進める動きが広がっている。

外相会合に招かれたウクライナのクレバ外相は7日、「私の要求は3つしかない。兵器、兵器、兵器だ」と強調。「防御的な武器を提供するが、攻撃的な武器を供与する立場にはないと主張する国々は偽善者だ」と訴え、強力な兵器が必要との認識を示した。

これを受け、NATOのストルテンベルグ事務総長は7日、会合閉幕後の記者会見で「(会合では)さらに装備を提供する用意があるとの明確なメッセージが示された」と発表。ウクライナ軍が使い慣れた旧ソ連時代の武器や最新の兵器などを提供し続ける方針を表明した。

トラス英外相も会合後、NATO加盟国は新型でより強力な兵器をウクライナに提供することで合意したと明かし、ウクライナでの戦闘は「新たな、異なる段階」に入ったと指摘した。

すでに、一部の加盟国は戦闘の長期化を視野にいれた強力な兵器の供与を進めている。米メディアによると、東欧チェコは外国政府として初めて、ウクライナ軍に数十台の旧ソ連製戦車などを提供した。ドイツも、旧東ドイツがかつて管理していたチェコ企業が保有する歩兵戦闘車のウクライナへの供与を承認した。

英紙タイムズ(電子版)は7日、英軍事関係者の話として、英国がウクライナに装甲車両を送る計画を立案していると報じた。偵察・長距離の警備に使用できる車両などの提供が想定されている。

英国は今後3週間が戦局を左右するとみて、殺傷能力の高い兵器の提供も検討しているという。英政府高官はタイムズに、英国などの協力次第で「ウクライナはロシア軍を撃破できる可能性がある」と語った。

また、ウクライナで兵器の修理拠点が露軍に破壊されている状況を受け、スロバキアは自国の軍需産業施設でウクライナ軍の装備を修理する方針を検討している。

一方で、中・東欧諸国の中には軍事支援を望みながらも、自国の兵器が不足する事態に神経をとがらせている政府もある。スロベニアのヤンシャ首相は米紙ウォールストリート・ジャーナルに対し、ウクライナへの軍事支援を続けたことで「残念ながら、われわれの(兵器の)備蓄は枯渇している」と明かした。(ロンドン 板東和正)

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