東京電力福島第1原発事故に伴って、福島県内の除染で出た放射性物質を含む土壌などについて、環境省は8日、帰還困難区域での発生分を除き、中間貯蔵施設(同県大熊町、双葉町)への搬入を3月末でほぼ終えたと発表した。帰還困難区域では、早期の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)で除染が続いており、令和4年度以降も搬送が続く。
除染土などは黒い大型土のう「フレコンバッグ」に入れられ県内各地の仮置き場に積み上がっていたが、ほとんどが姿を消した。山口壮環境相は閣議後の記者会見で「おおむね目標を達成し、復興に大きく寄与できた」と述べた。
同省によると、対象の除染土など計約1400万立方メートルのうち仮置き場から搬出されたのは96%に当たる約1341万立方メートル。うち約28万立方メートルは、放射性物質濃度が低い土壌を農地の盛り土に再利用する実証事業が行われている飯舘村長泥地区に運ばれた。