みんなで考える 思いやりのカタチ

客観的に夫へ伝える更年期症状

ウェブサービス「よりそる」で、夫の高本章博さんに向けて、玲代さんがLINEで睡眠の状況を伝える
ウェブサービス「よりそる」で、夫の高本章博さんに向けて、玲代さんがLINEで睡眠の状況を伝える

女性ホルモンの分泌が不安定になり、40~50代女性の心身に不調が表れる更年期。十分な知識と心構えを持ち、パートナーに接することができる男性は、そう多くはないかもしれない。

大津市の会社員、高本章博さん(59)も妻の更年期に直面し、戸惑った経験の持ち主だ。

「保育園のお迎えと夕食の支度をしてほしい」

共働きをしている妻の玲代(あきよ)さん(46)から突然、頼まれごとが増えたのは3年前のことだった。

頭痛や疲労感で夕方になると寝込んでしまう玲代さんに代わり、総菜を買い、子供たちに食べさせ、後片付けをする日が続いた。

「2、3日で回復すると思っていた。『甘えてるんじゃないか』ときつい言葉をかけてしまうこともありました」

玲代さんの体調不良が更年期によるものだと分かったのは半年ほどたってから。「当時妻は43歳。更年期障害という言葉は知っていたけれど、もっと高齢でなるものだと思っていた」と高本さんは振り返る。

更年期症状をめぐり夫婦関係がぎくしゃくした体験をもとに、玲代さんが立ち上げたのが、更年期に特化したウェブサービス「よりそる」だ。女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」の代表例として注目を集めている。

更年期症状がある妻が通信アプリLINE(ライン)を使い、メッセージやスタンプで、夫にその日の体調や要望を伝えられるサービス。間にAI(人工知能)が介在し、夫側には第三者を通じて情報が発信されるため、客観的に伝わる。

高本さんのスマホにも、毎朝、玲代さんの体調に関する情報がラインで届く。

「朝一番に、今日はおなかが痛いんだなとか、あまり眠れなかったんだなとか妻の体調を把握できるので接し方が分かるようになった」と高本さん。

玲代さんも笑顔で語る。

「体調が悪いことを察知してくれて、最近は頼まなくても『今日、晩ご飯買ってこようか』と言ってくれるようになりました」

産経新聞と雑誌「メトロポリターナ」が女性の健康課題に取り組む「フェムケアプロジェクト」のコラムです。女性特有の悩みを和らげる「フェムテック」「フェムケア」と呼ばれる製品やサービス、取り組みを紹介し、「思いやりのカタチ」を探ります。

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