米国、日本産牛肉の関税引き上げ 複数国向け低関税枠をブラジル産が消費

金子原二郎農水相
金子原二郎農水相

金子原二郎農林水産相は8日の閣議後会見で、米国が日本産牛肉に対する輸入関税を3月末から引き上げたことを明らかにした。米国は輸入牛肉に対し、日本やブラジルなどに合算での低関税枠を設けているが、ブラジル産の急増で枠を超過したためという。農水省などは米政府に対し、低関税措置を求める働きかけを続ける。

金子氏は米当局が6日、日本を含めた複数国向けの低関税枠が3月28日に全量消化されたと公表したとし、「米国への働きかけを行いつつ、輸出動向を注視したい」と述べた。

米国はオーストラリアやカナダなどを除き、日本やブラジル、アイルランド、英国などの複数国に対して、牛肉1キログラム当たり4・4セントという低関税枠(複数国合計で年間6万5005トン)を設けている。枠を超過した場合、関税は26・4%に上がる仕組みだ。

今回の超過理由は、ブラジルからの輸入量の急増。農水省によれば、ブラジル産は主にひき肉加工用として冷凍輸送され、低関税枠の9割程度をブラジルだけで使い切った。豪州産は干魃(かんばつ)の影響で生産量が落ちていたことで、代替品のブラジル産が急伸したという。

日本産牛肉はステーキなど調理向けとして裾野を広げつつある。コロナ禍以降は高級外食向けから家庭向けへと販路を広げ、ネット通販や大手スーパーなどでも入手可能になった。令和3年の米国向け牛肉輸出量は1178トンで前年比2・2倍に伸びていた。

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