濃淡ある色合いの桜が視界一面に広がることから「一目千本」とたたえられる名所・吉野山(奈良県吉野町)で桜が見頃を迎えている。8日には各地から花見客が訪れ、写真を撮ったり感嘆の声を上げたりしていた。新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた客足は今年、回復傾向が見込まれている。
吉野山は古来の山岳信仰の地で、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部。尾根や谷にシロヤマザクラを中心とした約200種3万本が密集し、標高の低い方から開花する。大半のエリアが見頃となった。
町によると、この時期の客足の目安となる観光バス駐車場の利用台数は例年約2千台だが、コロナ禍で2020年は36台、21年は228台だった。今年は約700台分の予約があるという。