中国最大の経済都市の上海市で新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)が続いていることで、日本経済にも影響が及んできた。多くの日本企業が既に現地事業の停止に追い込まれているほか、サプライチェーン(供給網)が滞ることで、日本国内の事業にも支障が出始めた。中国政府は感染拡大を徹底して押さえ込む「ゼロコロナ政策」を続けるが、感染力の高いオミクロン株にてこずっており、事態の長期化が懸念されている。
「ロックダウンが解除されればすぐにでも開店したいが、再開のめどはたっていない」。衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの担当者は、そう語る。同社は上海市内で56店舗を展開。当初は政府の要請に従う形で地区ごとに休業していたが現在は全店休業に追い込まれた。
上海は日本企業が最も進出している海外の都市だ。日本貿易振興機構(JETRO)によると日系企業の拠点数は1万を超えており、現地ではさまざまな企業活動に影響が生じている。ローソンは宅配など一部の業務を行っている店はあるが、ロックダウン対象地域の約8割が休業。ソニーグループや資生堂も工場の稼働を止めている。