地方政治ルポ

千葉県知事〝熊谷流〟就任1年 担当記者が検証

これは自民の県議団にとってもひとごとではない。来年春には県議選がある。知事選で140万票を獲得した人気は魅力的で「2連ポスターを作るとなれば、飛びつく人間がいるかもしれない」(自民県議)。

県議会の代表質問では、自民が知事の政治姿勢を問いただした場面でも質問を聞きながら知事は時折、余裕の笑みを浮かべることがあった。昨年の就任会見で、県議会との関わり方を問われた知事は「緊張感はあるが理想的な関係を築いていきたい」と答えている。2年目に入った県議会との関係がどうなるか、注目したい。

就任1年のインタビューに応じる熊谷俊人知事=千葉県庁(小野晋史撮影)
就任1年のインタビューに応じる熊谷俊人知事=千葉県庁(小野晋史撮影)

政治家の本籍変えられぬ

熊谷知事が3月下旬、就任1年のインタビューに応じた。

--就任1年をどう振り返る

「首長経験があるので、一定程度は予測通りだった。職員によくやっていただき、議会のご理解もあった。就任時に『やらなくてはいけない』と思ったものは全力を尽くし、納得できるプロセスを踏んできた。(知事選で掲げた)県政ビジョンに書かれていることは全て着手し、各分野で予算化したか、方向性が見えている」

--2年目に力を入れたいこととして経済や福祉、教育を挙げる

「コロナで影響を受けてきた分野だ。県の飛躍に向けた投資を各分野で着実に行いたい。やりたいことは県政ビジョンで示し、今回の予算(令和4年度当初予算)や新たな総合計画でも大体見えている」

--コロナ禍で傷ついた経済をどのように再生する

「まずは底支えをしないといけない。特に影響が大きかった飲食や観光業に対し、感染状況を見極めながら切れ目のない形で需要喚起策を続ける。その先は、時代の変化で求められるカーボンニュートラルやデジタル化への対応、成田空港の機能強化に力を入れたい」

--企業誘致は

「極めて重要。市町村からも情報を収集しながら産業用地の整備に向けて調査をしている。それから県内経済の新しい挑戦をしっかりと支援していきたい」

--沼田武元知事が掲げた「三角構想」に続く新たな産業構想の見通しは

「結構見えてきている。どこが県の戦っていくポイントかを明確化し、投資などを集約していく。首都圏でも豊かな自然環境と大学や技術力の高い企業、それから東京に隣接している部分を踏まえていく」

--スケジュール感は

「私に与えられた1期4年間で、ある程度の方向性が見えてくる。少なくとも、多くの人たちが納得できる内容とプロセスで『ここに力を入れ、こういう形でやっていくべきだ』というのが共有できる所まで到達しないといけない」

--コロナ禍で過ごしてきた子供たちへの対応は

「コロナが2年以上も長期化し、子供たちにさまざまな影響が出ている可能性がある。さまざまな研究結果やアンケートなどを見ながらケアする学校教育活動を意識しないといけない」

--子供への影響とは

「心理面が特に大きいと思う。強制的に守らないといけないものがたくさんあって萎縮したり、『言うことを聞くしかない』とあきらめたり。やっぱり子供や若者は反発してなんぼの所があるが、そういう所も含めた切り開く力や、自主性を含めた生き抜く力が、どれだけ影響を受けているのかと非常に心配している」

--今の子供たちの環境は大変だと

「例えば食事もいまだに黙食でやっている。校庭での遊び方にも制約がある。僕らは接触をしながら、気持ちと気持ちが時には衝突するとかで成長していく部分があるが、それが何年も途絶えたことは、影響がない訳がないと思う」

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