ウクライナのベレシチュク副首相は6日までに、同国東部のルガンスク、ドネツク両州の住民に対し「移動が可能なうちに至急避難を開始してほしい」と呼びかけた。ウクライナメディアが報じた。首都キーウ(キエフ)周辺に展開していたロシア軍はウクライナ東部への移動を進めており、近く本格的な攻撃に参加するとみられている。ベレシチュク氏は、露軍の攻撃が激化した後では「手遅れになる」との見方を示した。
東部の各地では露軍による攻撃が続いており、ウクライナの鉄道当局は6日、東部の駅に3発のミサイルが撃ち込まれ、多数の死傷者が出たと発表した。ルガンスク州でも州当局が拠点としていたシエビエロドネツクへの攻撃があり、複数のビルで火災が発生した。
露国防省は6日、東部ハリコフ州の燃料施設やドネツク州のウクライナ軍拠点などにミサイル攻撃を行ったと発表した。南部マリウポリの港では5日、外国籍の貨物船が露軍のミサイル攻撃を受けた。
ウクライナのキーウ近郊ブチャで多数の民間人が露軍に殺害されたことに国際社会の非難が強まる中、ロシア側は、一連の情報はウクライナ側の策略と反論している。
露大統領府の発表によると、プーチン大統領は5日、ハンガリーのオルバン首相との電話会談で、「(ブチャでの民間人殺害は)ウクライナ政府の挑発」との見方を示した。
インタファクス通信によると、露外務省のザハロワ報道官は6日、ブチャでの民間人虐殺を「犯罪的なフェイク」と述べ、欧米諸国が「対露制裁を行う口実にする狙いで用意された」と主張した。