朝日新聞社が編集委員懲戒処分 公表前の安倍元首相の記事見せるよう要求

朝日新聞社東京本社の外観=東京都中央区(本社チャーターヘリから、桐原正道撮影)
朝日新聞社東京本社の外観=東京都中央区(本社チャーターヘリから、桐原正道撮影)

朝日新聞社は7日、週刊ダイヤモンドが安倍晋三元首相に行ったインタビューの記事を公表前に見せるよう同誌に要求したとして、編集委員の峯村健司記者(47)を停職1カ月の懲戒処分とすると発表した。処分は13日付。編集委員の職も解く。峯村記者は、この問題の以前から退職準備を進めており、20日に退社予定。監督責任を問い、当時の上司、多賀谷克彦・前ゼネラルマネジャー兼東京本社編集局長をけん責とした。

同社によると、ダイヤモンド編集部は3月9日に外交や安全保障をテーマに安倍氏へインタビューを実施。峯村記者は10日夜、インタビューを行った副編集長に連絡し「安倍(元)総理がインタビューの中身を心配されている。私が全ての顧問を引き受けている」と発言した。さらに「ゴーサインは私が決める」などと話し、公表前の誌面を見せるよう要求したが断られた。記事は3月26日号(22日発売)に掲載された。

ダイヤモンド編集部から「編集権の侵害に相当する」と抗議があり発覚。社内調査に対し、峯村記者は「安倍氏から取材に対して不安があると聞き、副編集長が知人だったことから個人的にアドバイスした。私が安倍氏の顧問をしている事実はない」と説明しているという。

一方、峯村記者はインターネット上で「誤報記事が掲載されそうな事態を偶然知り、それを未然に防ぐべく尽力した」と反論。処分の不当性を法的にも争うとしている。

山口圭介・ダイヤモンド編集部編集長のコメント「ダイヤモンド編集部が行った安倍晋三氏へのインタビュー記事について、朝日新聞の編集委員から編集権の侵害行為があったのは事実であり、私たちはその介入を明確に拒否しました。メディアは常に権力との距離感を強く意識しなければならず、中立性を欠いた介入があったことは残念でなりません」

宮田喜好・朝日新聞社執行役員ゼネラルマネジャー兼東京本社編集局長のコメント「編集委員の行為は、政治家と一体化してメディアに圧力をかけたと受け止められても仕方がなく、極めて不適切です。ダイヤモンド社と読者のみなさまに深くおわびします。取材対象との距離の取り方を誤り、読者からの信頼を揺るがす大変重い問題と受け止めています。報道倫理についての指導を改めて徹底いたします」

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