罠 六 87
父はこうも言った。
『ただ、この戦国の世、そなたの足元をすくうのもまた友なのじゃ……。恐るべき時代よの。……恨むなら時代を恨むべし。されど恨みだけでは、何も変わらぬ』
父は友を信じる気持ちと、疑う気持ち、矛盾する二つの気持ちが乱世を生きるには肝要と言いのこし、逝ったのだった。
今、この場に父がいたなら、何と言うだろう。
罠 六 87
父はこうも言った。
『ただ、この戦国の世、そなたの足元をすくうのもまた友なのじゃ……。恐るべき時代よの。……恨むなら時代を恨むべし。されど恨みだけでは、何も変わらぬ』
父は友を信じる気持ちと、疑う気持ち、矛盾する二つの気持ちが乱世を生きるには肝要と言いのこし、逝ったのだった。
今、この場に父がいたなら、何と言うだろう。