「京都いのちの電話」開局40周年 コロナで相談増加

悩みを抱える人に電話で相談に乗る「京都いのちの電話」(075・864・4343)が開局から40周年を迎えた。これまでに78万件以上の相談を受けてきたが、高齢化などの理由により相談員が減少傾向に。現在は60代を中心に約120人が活動しているものの、24時間体制のため、相談員の増加が急務で、団体は相談員を募集している。

「社会にさまざまな問題が存在すると身を持って実感する」。京都いのちの電話の中瀬真弓事務局長(69)は説明する。

中瀬さんが相談員としての活動を始めたのは31年前。ボランティア活動をしたいと考える中で、ラジオから流れた相談員募集の知らせを聞き、応募した。

相談員の仕事は「顔が見えず、その後の様子も分からないため葛藤を感じることもあった」。それでも懸命に活動を続け、相談者から感謝の言葉をもらえることもあったという。

不安定な社会状況と深刻な悩みの中で人々の心の支えになるべく、京都いのちの電話は昭和57年に開局。他にも相談機関が充実したことに伴い、京都いのちの電話への相談件数は減少傾向で令和2年度は約1万8千件と、平成14年度から1万件減少した。

一方で、自殺をほのめかす「自殺傾向」の相談は23年度以来11年ぶりに15%を超えた。精神的不調を訴える相談も増加傾向で、14年度が約37%だったのに対し、令和2年度は約68%となっている。

背景には新型コロナウイルス禍に起因するものが多くあるという。担当者によると、失業や収入の減少などの経済的困窮といった悩みのほか、芸能人の自殺が相次いだことで抱いた不安など、深刻な相談内容も目立ち始めている。

人生の半分近くを相談員として費やしてきた中瀬さん自身も社会の変化などを痛感。「寄り添うということがどういうことなのか。体験しながら学べるのが相談員のやりがい」と相談員の必要性を強調している。

応募は20~68歳で定員は約50人の予定。申込書に必要事項を記入し、「〒616―8691 京都西郵便局私書箱35号 京都いのちの電話相談員養成講座事務局」まで郵送(13日必着)。問い合わせは京都いのちの電話事務局(075・864・1133)。

府内自殺者も増加

令和3年に京都府内で確認された自殺者数は376人で、前年を21人上回った。10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は前年より0・8人増えて14・6人だったが、都道府県別では3番目に低かった。

警察庁の統計データを厚生労働省が集計した。警察庁の手法上、自殺者数は府内で発見された人数を計算しており、居住地別の集計ではない。

府内では自殺者数、自殺死亡率とも2年連続で上昇した。一方で、全国の自殺者数は2万1007人で前年比で74人減、自殺死亡率は16・7人で前年と同じだった。

府は平成27年に自殺対策に関する条例を制定し、自殺防止の啓発活動や自殺防止センターでの相談支援を行っており、引き続き自殺対策を推進するとしている。(鈴木文也、平岡康彦)

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