動画・獅子吼するキーウ市長

クリチコ市長会見詳報(1)「いま目撃しているのはジェノサイドだ」

京都市の門川大作市長(右)にウクライナの首都キーウの現状を訴えるビタリ・クリチコ市長=6日午後、京都市役所(渡辺恭晃撮影)
京都市の門川大作市長(右)にウクライナの首都キーウの現状を訴えるビタリ・クリチコ市長=6日午後、京都市役所(渡辺恭晃撮影)

ウクライナの首都キーウ(キエフ)のビタリ・クリチコ市長(50)が6日、姉妹都市である京都市の門川大作市長と通訳を交えてオンラインで会談した。元ボクサーで世界ボクシング評議会(WBC)、世界ボクシング機構(WBO)の元世界ヘビー級王者として知られるクリチコ氏。世界を席巻した元チャンピオンはときに激しく、ときに切々と通訳を交えながら約1時間にわたり、キーウの現状を訴えた。クリチコ氏の発言は次の通り。

常に平和を求めてきた

日本のみなさま、また政府から提供されている支援に対し、大変ありがたく、感謝を述べたい。多くの国民がウクライナから避難しているのが現状だ。これは世界中の惨事であると思っている。第二次世界大戦以降、最も大きなヨーロッパにおける惨事だ。ウクライナは常に平和を求めていた国で、私たちはいかなる場合でも他の地域を侵攻したことはない。

ロシアはウクライナに「非常に戦闘的な人々」とか「国粋主義者だ」という説明を付けているが、ウクライナは平和を愛する人々が多く住んでいる国であると、何度もウクライナを訪れてくださった門川市長は熟知してくださっていることと思う。皆さまが理解してくれるよう、この戦争が開始された理由を説明したいと思う。

私たちは民主的な国になりたいと思い、そして欧州の国々の仲間になりたいと思っている。しかし、ロシア側には、非常にばかげた考えである「ロシアの連邦に戻したい」という思いがあり、その理由から、ロシア軍はウクライナに侵攻した。そのことがいろいろなことに影響を与えている。

この戦争は、ロシアのプーチン大統領がソビエト連邦を再構築したいという考えのもとにはじめたものであると思っている。民主的な国が持っている「発言の自由」や「人権」などに価値を見いだす欧州の諸国の仲間になりたい、そして私たちの国を民主化したいという願いを、ロシアは受けることをしなかった。

キーウでも多くが犠牲に

私たちがロシアと1994年に交わした、中立や核兵器を断念するとの約束を、ロシア側は守っていない。ロシアはウクライナの全域を自分の手中に収めたいと思っている。そして今回の軍事侵攻を、特別な軍事作戦だと名付けている。

しかし、私たちがいま目撃しているのは、ロシア側によるジェノサイド、大量殺戮(さつりく)だ。彼らはいくつかの都市を完全に破壊している。東部のマリウポリやキーウ近郊のブチャなど私たちの街のアパート、民間人の居住地を攻撃している。ブチャでは300人が死亡している。マリウポリでは何千もの人が殺されているという報告を受けている。犠牲になっているのは老人や女性、子供だ。ロシア人の説明は事実ではない。

キーウでも多くの人が犠牲になっているのが目撃されている。私も昨日、私の目で見た。女性が、子供が、市民が殺されている。ロシア人たちはこれらの人々の命を奪っているのだ。軍人がいないアパートが襲撃に遭い、そこにいる民間人が殺されている。それがロシア軍がいう「特別軍事活動」だ。 =(2)に続く

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