日大が自販機飲料割高で販売 学生二の次、利益優先

不祥事が相次いだ日本大学が7日、体制一新などを盛り込んだ報告書を文部科学省に提出した。日大のゆがんだ運営の象徴であり一連の不祥事の温床となった日本大学事業部については、報告書のベースとなった第三者委員会の調査で、学生を二の次にし、一部の利益を優先していたとの指摘もあった。前理事長の田中英寿(ひでとし)被告(75)を中心に築かれた、学生の不利益を顧みない体質の払拭が、新体制の責務となりそうだ。(大泉晋之助)

大学が出資する事業会社の設立は法律で認められている。ここ20年程度は、大学の経営効率化の観点から文科省が枠組みを示すなど、大学による事業会社設立が促進されてきた側面がある。

大学発のベンチャーが注目を集めたこともあり、その期待は大きいはずだったが、日大ではこの事業会社が悪用された。

事業部は学内のあらゆる事業に介在。その結果、物品調達がかえって割高になるなど、学校全体の経営がゆがめられた。第三者委は、事業部が学内に設置した自販機の飲料の販売額が、事業部を通さない場合に想定された値段に比べて割高となっていたなどと指摘。報告書は、不祥事を受けた事業部の清算後は、外部監査を活用するなどして、取引の健全化を図るとしている。

今年1月の日本大学新聞に掲載された日大生のコラムには、タックル問題について「書けばなんらかの報復があるのではないか」「誰もがおびえていた」との記述も。長く続いた田中被告体制で、重苦しい空気が執行部や教授陣だけでなく、学生をも支配していたことをうかがわせた。報告書はこうした状況を踏まえ、学生と学部長の対話の場を設けるなど、学生の声を改革に反映できるような仕組みを作るとしている。

新体制構築に向けては、「強いリーダーシップが求められるだろうが、すぐに陣容を整えるのは難しいのではないか」(日大関係者)との声がある。一連の問題の検証に当たった有識者も「一朝一夕に実現するものではない」と指摘している。日大は今後、これまで日大の運営に関わったことのない人物を理事長に選ぶとしており、ほかの理事や評議員は学外から積極的に登用する。各種学術団体から学外人材を推薦してもらうことも検討している。

報告書に沿った改革が進むのか、文科省の担当者は「学生への説明責任を果たし、学生に寄り添った体制ができるのかを見守りたい」と話している。

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