帝国データバンク大阪支社が7日発表した近畿2府4県の令和3年度の企業倒産(負債額1千万円以上)は、件数が前年比24・9%減の1482件、負債総額が同39・3%減の1683億1400万円だった。31年ぶりに倒産件数が1500件を下回るなどの歴史的に低い水準だった。新型コロナウイルス禍を受けた政府の支援策が奏功したとみられるが、今後は効果が薄れ、倒産件数が増加に転じる恐れが指摘されている。
倒産件数は2年連続で前年度を下回り、バブル期の平成2年度(1234件)以来の低水準。負債総額もこの30年で最少で、負債100億円以上の大型倒産は4年ぶりになかった。
歴史的な低水準になった要因として、実質無利子・無担保で融資する「ゼロゼロ融資」をはじめとする、政府の支援策が企業の資金繰りの改善につながったと指摘。その上で、今後はコロナに加えてウクライナ情勢による資源価格の高騰などの物価上昇が、企業の利益を圧迫するとみる。
昌木裕司・大阪支社情報部長は「原材料高などのコスト増で企業収益の不透明感が増している。倒産は緩やかに増えていきかねない」と懸念を示した。