米英豪AUKUS、極超音速兵器でも協力 中露に対抗

バイデン米大統領、ジョンソン英首相、オーストラリアのモリソン首相(いずれもゲッティ=共同)
バイデン米大統領、ジョンソン英首相、オーストラリアのモリソン首相(いずれもゲッティ=共同)

【ワシントン=大内清】米英とオーストラリアの3カ国は5日、インド太平洋における安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じ、極超音速兵器の開発や電子戦能力の強化などで協力することで合意したと発表した。中国やロシアなどが従来のミサイル防衛をかいくぐる極超音速兵器の開発を急いでいることに対抗する。他の同盟国や緊密な関係にあるパートナー諸国との協力も進める構えだ。

米ホワイトハウスの発表によると3カ国は、情報共有を拡大し、防衛分野でのイノベーション(技術革新)促進に向けた協力を深化させることで合意。極超音速兵器に対する防衛システムの構築などでも連携するとしている。

昨年9月に創設されたAUKUSは、サイバー、人工知能(AI)、量子技術といった先端技術をめぐる協力や、豪州への原子力潜水艦配備に向けた取り組みを進めている。今回新たに極超音速兵器と電子戦の2分野が加わったことで、3カ国の協力態勢の深化を印象付けた。

バイデン米大統領、ジョンソン英首相、モリソン豪首相は同日、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力の進展について協議。共同声明ではロシアによるウクライナ侵攻に言及し、人権尊重や法の支配、紛争の平和的解決といった原則に基づく国際秩序の重要性を確認した。

米英豪の発表について中国の張軍国連大使は5日、「ウクライナ危機を見たくない者は、世界の別の場所を同様の危機に導くようなことをするべきではない」と批判した。

一方、米CNNテレビは5日、バイデン政権が今年3月中旬に極超音速ミサイルの発射実験を成功させたと報じた。同月下旬にバイデン氏の訪欧が予定されていたことから、ロシアを刺激して緊張が高まるのを避けるために公表を控えていたという。実験は米西海岸沖で行われ、外気吸入型極超音速巡航ミサイルを戦略爆撃機B52から発射した。

ロシアは3月、ウクライナの武器貯蔵施設などへの攻撃に、航空機発射型の極超音速ミサイル「キンジャル」を相次いで使用したと発表している。

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