美村里江のミゴコロ

もっさり花粉症

美村里江さん
美村里江さん

このエッセーが掲載される頃はピークを越えていることを願う、花粉症(スギ)の話である。ある調査では日本人のおよそ4人に1人がスギ花粉のアレルギー症状を自覚しているそうで、この先さらに増える見通しという。

私はアレルギーテストで最もひどい反応が「6」のところ「5・5」。数値上は強めの花粉症ということになる。ところが、人からは「花粉症じゃないんだ」とうらやましがられ、ほぼ気づかれない。この数年、仕事上で重ねてきた工夫が有効と分かったので書いてみよう。

役者にとっても花粉症の症状はつらい。肌荒れもするし、鼻声で台詞(せりふ)の通りは悪くなる。眉頭から頰骨まで広範囲にたまった鼻水で、顔の印象まで変わってしまう。長時間泣きはらした後に似た、もっさりと野暮(やぼ)ったい顔…。

当然、皆いろいろ工夫している。市販薬以外にも、ステロイド注射、鼻の奥を焼く手術、新成分の薬…。苦労話が多数漏れ聞こえてくる。

私も同様に困っていて、薬を飲む以外に何かないかと考えた。目の充血や鼻詰まりが泣いた後の状態に似ている、ということは「泣き芝居後のケア」が効果あるかも? ヘッドマッサージと首のストレッチ。その後、目元や頭頂部を氷囊(ひょうのう)で冷やして寝てみたら、効果がてきめん。翌朝すっかり花粉症前に戻った顔を見て、俄然(がぜん)楽しくなってきた。

そういえば、左の肋骨(ろっこつ)を骨折してから、平時もときどき左の鼻だけ詰まるようになり、整体で脇腹を指圧してもらうとスッと通る。これも応用できないだろうか?

試行錯誤して、前方に両腕を伸ばした「前へならえ」の状態から肘を曲げ、なるべく掌(てのひら)の位置を変えず肩甲骨を大きく回すと、鼻詰まりが解消すると分かった(これは個人差が大きいと思われる)。

最後に、これは人から聞いた粘膜のケア。充血して腫れている=通常より表面積が増えて乾燥しやすい状態。なので、就寝時に白色ワセリンを鼻の中に塗って保湿する。こうすると睡眠中に荒れた粘膜の補修が進むらしく、朝はほぼ健常時の粘膜に戻って、朝特有のムズムズもなし。

こまめなリセットで炎症の悪化を抑え、市販薬のみで快適に過ごせるようになった。根治は無理でも、軽症にとどまる術を自己開発できれば、かなり楽になること請け合い。ぜひお試しください。

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