国連安保理、ウクライナの改革要求に沈黙

国連安全保障理事会の会合でオンライン演説するウクライナのゼレンスキー大統領=5日、米ニューヨークの国連本部(AP)
国連安全保障理事会の会合でオンライン演説するウクライナのゼレンスキー大統領=5日、米ニューヨークの国連本部(AP)

【ニューヨーク=平田雄介】ロシアのウクライナ侵攻をめぐる5日の国連安全保障理事会では、ウクライナのゼレンスキー大統領が「安保理解体か、ロシア排除か」と安保理の改革を強く迫ったが、ほぼ全ての理事国が沈黙した。拒否権を持つロシアの侵攻で機能不全に陥り、ウクライナを救済できない安保理に向かうゼレンスキー氏の怒りは、安保理を中心とする国連の平和維持構想に改めて重い課題を突きつけた形だ。

この日の会合で安保理改革に賛意を示したのはケニアだけだった。米国のサキ大統領報道官は記者会見で、ゼレンスキー氏の「不満は共有する」としながらも、「ロシアの安保理での地位が変わることはない」との見方を示した。他方、同氏が迫る改革に対し「かえって平和維持機能を弱める」との慎重意見さえある。

国連憲章は、安保理について、国際平和と安全を維持する主要な責任を有すると定める。その意思決定に拒否権を持つ米英仏中露の5常任理事国は、国際秩序を維持する大国として、ひと際大きな責任を期待されている。

そのロシアがウクライナに侵攻したことへの、国際社会の不満は強い。安保理が機能しないとき、代わりに国連総会が行動すると定めた「平和のための結集」決議に基づき3月に開かれた緊急特別会合では、国連加盟193カ国の7割超の140カ国以上がロシア非難決議に2度賛成した。

加盟国の間では、かねて議論されてきた常任理事国の拡大に加え、「拒否権の制限」の議論が活発になっているのは事実だ。しかし5常任理事国の腰は重い。

5日の安保理会合では国連のグテレス事務総長も名指しでロシアを批判するだけでなく、会合を重ねるだけの安保理に対しても「憤りを抑えることができない」と語気を強めた。

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