【ワシントン=塩原永久】米国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官は5日、ロシアのプーチン大統領が20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席することは「想像し難い」と述べた。ロシア軍の残虐行為が報告された問題を念頭に、キャンベル氏は「国際的な結果」を負わせるべきだとしてプーチン氏の参加に否定的な見解を示した。
キャンベル氏は米シンクタンクの討論会に出席。プーチン氏の出席をめぐる決定はなされていないと前置きしたうえで、同氏がG20という「文明的な討議の場に招待される」ことは想像できないと語った。
「私たちが目撃している切迫した状況と悲劇は否定できない」とも強調し、国際社会としてロシアに厳しい姿勢を示す必要があるとの立場をにじませた。
今年のG20会合はインドネシアが議長国を務めている。首脳会合は同国で11月に開かれる予定だ。
バイデン米大統領は3月下旬、ロシアをG20の枠組みから排除すべきだと表明していた。ロイター通信によると、オーストラリアのモリソン首相がプーチン氏出席に懸念を表明。カナダのトルドー首相も3月末、「プーチン氏とテーブルを囲んで普段通りというわけにはいかない」と指摘するなど、G20からのロシア排除を求める声が出ている。