学び舎の日常少しずつ コロナ禍3回目の入学式 ワクチン差別課題

入学式に参加する新入生と保護者ら、マスクの着用が義務付けられている=6日午後、東京都足立区の区立綾瀬小学校(鴨志田拓海撮影)
入学式に参加する新入生と保護者ら、マスクの着用が義務付けられている=6日午後、東京都足立区の区立綾瀬小学校(鴨志田拓海撮影)

新型コロナウイルス禍で3度目となる入学シーズンを迎え、各地の学校で子供たちの新生活が始まった。蔓延(まんえん)防止等重点措置の全面解除後に文部科学省が見直した学校運営のガイドラインでは、経済活動への配慮から地域一斉の臨時休校に慎重な判断が求められるなど、コロナとの一定の共生が加速しそうだ。全ての小学生を対象に含むワクチン接種も3月から本格化しており、差別に対する警戒など教職員らは新たな課題と向き合うことになる。

マスク越しに歌唱

「よろしくお願いします!」。東京都では6日、多くの公立小で入学式が行われた。昨年は仮校舎の校庭で式典を実施した足立区立綾瀬小では、マスク姿の新1年生150人が4月に完成したばかりの新校舎に登校。体育館で開かれた式典で元気よくあいさつした。

重点措置の解除を受け、当初は1人だけとしていた保護者の参列を2人に緩和。これまでの式典では、国歌や校歌の斉唱も飛沫(ひまつ)防止のためCD音声だったが、今回からマスク越しに歌うように切り替えた。

政府は重点措置の解除に合わせて、コロナ対策の基本的対処方針に「経済社会活動の正常化を図っていく」と明記した。その意識が学校現場にもうかがえるようになったともいえる。

《保護者の就労への影響などの観点からも、慎重に検討する必要がある》

文科省が今月1日に改訂した学校運営のガイドラインでも、地域一斉の臨時休校について、このように書き加えられた。

入学式での感染対策は幾分緩和できたものの、臼田治夫校長は「重点措置が解除されたからといって、校内での感染対策を緩めることはない」と話す。感染拡大の第6波では、綾瀬小でも学級や学年を閉鎖を余儀なくされており、「学校で感染が広がれば、保護者への影響は甚大であることを痛感している」という。

接種は家庭の判断

一方、3月から本格的にスタートした5~11歳を対象にしたワクチン接種に対する対応も、新年度の学校現場で新たな課題となる。これまで12歳になった小学6年のみが対象だったが、全学年の児童が接種を受けられるようになった。

文科省のガイドラインでも「希望する教職員や児童生徒らが接種を受けることができるよう、環境整備に努める」と明記。一方で、接種の有無により「偏見や差別につながるような行為が行われることは、断じて許されない」とも記されている。

東京都の公立小で低学年を担任する女性教諭(38)は「接種はどこまでも家庭の判断。5~11歳の接種には、保護者にもさまざまな考えがあるので、教職員から何らかのアクションを起こすことはあり得ない」と話す。児童らにワクチンをめぐるトラブルが起きないように注意を払うことに徹するという。

長期化するコロナ禍では子供の心のケアも重要だ。国立成育医療研究センターによる昨年12月時点の調査では、小1~3年(181人対象)の25%が「すぐにイライラしてしまう」と回答。「最近集中できない」とした児童も21%に上るなど課題が浮かび上がった。

こうした状況を受け、末松信介文科相は今月5日の記者会見で「令和4年度予算でスクールカウンセラーの配置をさらに充実させる経費を盛り込んでおり、心のケアに努めたい」と述べた。(玉崎栄次)

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