香港ナンバー2が行政長官選へ出馬表明 中国も支持し当選確実

香港政府の林鄭月娥行政長官(右)と李家超政務官(左)=2021年6月、香港(AP)
香港政府の林鄭月娥行政長官(右)と李家超政務官(左)=2021年6月、香港(AP)

【台北=矢板明夫】香港政府ナンバー2の李家超政務官(64)が6日、林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官に辞表を提出した後、記者会見し、「次期行政長官選挙に出馬する」と発表した。香港メディアによると、李氏は中国当局の支持を得ており、当選は確実視されている。

これまでの香港の行政長官は、財界関係者や経済官僚出身者が就任することが多かった。李氏が当選すれば初の警察出身者となる。民主化運動への弾圧姿勢が一層強化され、香港の「警察都市」化が進むことが懸念される。

李氏は治安機関のトップである保安局長として、2019年に本格化した反政府・反中デモの取り締まりを主導し、多くの民主活動家を逮捕した。20年8月、「香港への自治侵害」などを理由に、林鄭氏らとともに米国の制裁対象となった。しかし、その高圧的な姿勢は中国当局に評価され、21年6月に政務官に昇格した。

香港の次期行政長官は5月8日、親中派がほぼ独占する選挙委員会(定数1500人)のメンバーによる投票で選出される。現職の林鄭氏は4日に不出馬を表明しており、6月末の任期満了に伴い退任する。

台湾香港協会の理事長で、人権派弁護士の桑普氏は「李氏は上からの指示を何でも素直に聞くことで、中国の習近平指導部から信頼されているようだが、一般市民の間での評判は決して良くない。彼が行政長官になれば、香港の人権状況はさらに悪化するだろう」と話している。

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