台湾有情

日本人名の料理店

先日、友人に誘われ台北市内にある「三十三間堂」という日本料理店に行った。京都の精進料理を勝手に想像していたが、台湾風にアレンジした刺し身などが出された。

女性店主に聞くと、日本に観光に行ったときに見た「三十三間堂」という名前が気に入ったため店名にしただけで、「本家」とは全く関係がないという。

台湾ではほかにも、建物や店名などに日本の固有名詞がよく使われる。自宅近くに「奥之細道」という名の超高級マンションがある。ガラスをふんだんに使った都会的なデザインの建物の前を通るたび、「名前の印象と違う」と首をかしげたくなる。

日本人の名前もよく使われる。これまでにも「夏目漱石」「小室哲哉」「久石譲」と書かれたマンションやビルを見かけたことがあるが、関係者から許可を取っているかどうかは分からない。友人の台湾紙記者は「台湾人には日本好きが多いので、日本の固有名詞を使うとイメージが良くなる」と解説してくれたが、違和感はぬぐえない。

「三十三間堂」の近くには「小林英夫」という日本料理店もあった。大学時代に愛読していた文芸評論家「小林秀雄」をイメージした店なのかどうか。気になるので、今度行ってみようと考えている。(矢板明夫)

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