ウクライナ侵攻で欧米や日本の経済制裁を受けるロシアが奇抜な対抗措置を次々と繰り出している。自国通貨ルーブルによる天然ガス代金支払いを強制したり、撤退する外国企業の資産を事実上接収したりといったことだ。ルーブルの暴落には一定の歯止めがかかっているものの、制裁による損失を弥縫(びほう)策で埋められないのは明白だ。中長期的にロシア経済の大幅な落ち込みは避けられない。
欧米や日本は2月下旬以降、ロシアに対し相次ぎ強力な経済制裁を打ち出した。主なものは、露中央銀行が保有する外貨準備の凍結、露主要銀行のSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除、民間企業への航空機のリース契約の停止要請などだ。米クレジットカード大手はロシア事業を停止した。
これに対してロシアは、強権的な対抗策を次々と導入した。